理系の高等教育を向上させるSTEM教育への注力
世界的な流れとして、STEM教育へより力を入れるという動きが広まっています。
STEM教育とは、科学、技術、工学、数学の英語の頭文字を取ったもので、要は理系教育に力を入れるということです。
アメリカなどの先進国でこの傾向が強く、国を挙げてSTEM教育を重視して、理系の高い能力を持つ人材を増やしていくという流れができています。
やはり、理系の能力は技術開発のパワーに直接つながっていきますので、国の産業の競争力を上げていくことになります。
そのためには、高校や大学において、より高度で専門的な教育をすることがとても重要になりますので、実際にこの分野での活動を行っている企業だけでなく、教育機関にも公的資金を投入するようになっているのです。
特に経済発展が著しい中国やインドでは、以前からこの分野への注力をしていますので、それが今になってそれぞれの国のグローバル企業の成功という形で大きな実を結んでいる状況が見られます。
日本では理系人材が不足している
このように、理系の教育に力を入れている国々には、明らかな競争力強化が見られていますが、日本においてはその取り組みが遅れているのが現状です。
もちろん、基礎的な学力や技術は強いのですが、現実問題として理系人材が絶対的に不足していて、そのためより優秀な人材が生まれてこないという事態が見られています。
特にリケジョと呼ばれる、理系に進む女性の割合が今もって少ないのが日本においては大きな課題となっています。
もちろん、最近はリケジョブームとも言われていて、昔よりは多くなっていますが、世界的な水準からすればまだまだ少ない状況なのです。
また、リケジョが活躍できる企業の幅が少なく、制限があるというのも実情です。
STEM教育にさらに注力することが重要
理系の人材確保というのは、国の力にもなっていくことですが、そのためにはもっとSTEM教育に力を入れていく必要があります。
そして、その重要性を理解し、魅力的な分野であるということを広く若者に知ってもらうことが重要です。
そうすることによって、たくさんの学生が理系に進むことができますし、女性がもっとこの分野に進出するきっかけともなります。
大学におけるSTEM教育の充実と、それを支援するための公的なサポートはこれからの課題と言えるでしょう。
また、理系人材を適正に評価し好待遇で迎えること、男女の差なく公平に人材を受け入れて、すべての人が快適に働ける環境を作るということも大事な点です。
この点において、日本はこれからできることが多いので、さらなるSTEM教育の充実が緊急に求められています。